針金グルグル巻きの奉納ハサミが発する強烈な情念! 福島県「橋場のばんば」/小嶋独観

文・写真=小嶋独観

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    珍スポ巡って25年、すべてを知る男による全国屈指の“珍寺”紹介。今回は福島県南会津郡檜枝岐村の「橋場のばんば」。針金でグルグル巻きにされたハサミの意味とは――!?

    写真=小嶋独観

     農村歌舞伎で有名な福島県南会津郡檜枝岐村、その歌舞伎が行われる会場近くに「橋場のばんば」と呼ばれる小さなお堂がある。

    写真=小嶋独観
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     堂内の中心にはこの地方で信仰されている「ばんば(姥神)」の石像が安置されており、その周囲には無数のハサミが奉納されている。

    写真=小嶋独観

     奉納されたハサミは普通のハサミと針金でグルグル巻きにされたハサミとに分かれている。これは普通のハサミが縁切りで、針金で巻かれた方は縁結びの祈願のために奉納されたものだという。

    写真=小嶋独観

     かつては刃こぼれして使えなくなったハサミを縁結びを祈願して奉納したのだが、最近のハサミはステンレス製になり、刃こぼれしなくなったので針金でグルグル巻きにするよになったのだ。ある意味現代的な奉納風景なのだ。

    珍寺大道場 ― 橋場のばんば

    小嶋独観

    ウェブサイト「珍寺大道場」道場主。神社仏閣ライター。日本やアジアのユニークな社寺、不思議な信仰、巨大な仏像等々を求めて精力的な取材を続けている。著書に『ヘンな神社&仏閣巡礼』(宝島社)、『珍寺大道場』(イーストプレス)、共著に『お寺に行こう!』(扶桑社)、『考える「珍スポット」知的ワンダーランドを巡る旅』(文芸社)。
    珍寺大道場 http://chindera.com/

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