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90年代のSFドラマシリーズ『ダークスカイズ』の元プロデューサーが、海軍関係者から作品中に「エイリアンに関する事実」を盛り込むよう依頼を受けていたという事実が明らかになった。自らの体験談を語るのは、アメリカの有名プロデ […]
90年代のSFドラマシリーズ『ダークスカイズ』の元プロデューサーが、海軍関係者から作品中に「エイリアンに関する事実」を盛り込むよう依頼を受けていたという事実が明らかになった。自らの体験談を語るのは、アメリカの有名プロデューサー、ブライス・ザベル氏。彼が依頼を受け容れることによって、「コンタクトに向けての一般大衆の心の準備」ができるようになると語っていたという。
番組主宰のパーティーで、ザベル氏は“JC”と名乗る人物と知り合った。
「あのときが初対面だった。海軍情報局に勤めていて、番組に協力したいと言ってきたので詳しい話を聞くと、海軍情報局はエイリアンに関する情報を公開するという方向性で動いているということだった」
「フィクションを通して徐々に明らかにしていくというのが最良ということになったようだ。コンタクトが実現した際に一般市民がショックを受けないよう、準備が進んでいたということだと思う」(ザベル氏)
情報を公開するなら、問題となるのはその方法だ。

「大統領自ら地球外生命体に関する事実を発表することはできない。だから、フィクションを通して徐々に明らかにしていくというのが最良であるということになったようだ」(ザベル氏)
そこで、アプローチを受けたのがザベル氏だったというわけだ。アメリカの情報機関は、かねてよりハリウッドを使って特定方向への世論操作を試みていたとする意見がある。『宇宙戦争』のような映画は数多く製作されてきたが、侵略シナリオとは正反対の『未知との遭遇』のような作品もあった。
筆者が火星の人面巨石に対するリサーチで有名なリチャード・ホーグランド氏にインタビューを行った時、こんな話を聞いたことを思い出す。
「ハリウッド映画は、真実を少しずつ伝え、浸透させていく手段としては最高なんだ」
ホーグランド氏が示唆していたのは、映画のコンセプトやシンボリズムに盛り込まれるサブリミナル効果だ。こうした要素が最も強く意識されるのは、短い時間で凝縮されたメッセージを届けることができる予告編らしい。それに呼応した観客に対し、本編を通してより深く確実なイメージ定着が行われる。
今回の話の主役は、過去にメガヒット番組を世に送り出した、それなりに名のある元プロデューサーだ。こういう立場の人物が、今さら脚光を浴びようと昔の話を蒸し返すだろうか?
ただ、これは海外メディアで語られているままの内容を受け容れた上での話にすぎない。筆者は、ここでもう一歩踏み込んでおきたい。ザベル氏自身が情報操作を行っている側に取り込まれていないという保証はどこにもない。いわゆるエイリアンの真実に関するディスインフォメーション工作であれ情報操作であれ、ザベル氏がプレイヤー側に取り込まれてしまっている可能性も、考えなければいけないと思うのだ。

筆者がロズウェル事件関係者に対するインタビューで並木伸一郎先生とご一緒させていただいた時も、同じような感覚を抱いた。具体的に名前を挙げるなら、ロズウェル事件について初の検証本を書いたビル・ムーア、そして事件発生当時ロズウェル陸軍航空隊基地と深い関わりがあったフランク・カウフマンだ。
ムーアは男性の連れを伴ってインタビューが行われるホテルに現れた。そして、インタビューの間ずっと連れの男がムーアの言動を逐一チェックし、時々「その発言は注意するように」と口をはさむ。ムーアが自ら語りたかったことをすべて語っていたとは思えない。
カウフマンに関しては、ロズウェル事件を徹底的に追い続けているリサーチャー、ドン・シュミットが、物証を交える形で軍部あるいは政府のエージェントだった事実を明らかにしている。
この手の話が出るたびに、筆者は思ってしまう。証言者は本当に信用できるのか。どちら側の人間なのか。そして、スケプティック(懐疑論者)も陰謀論者も、まったく論拠もなく主張しているわけではないという事実まで頭の片隅に置いておく必要があるのだろう。
【参考】
https://www.dailystar.co.uk/showbiz/government-agent-wanted-include-alien-28015067
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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