「ナスカの宇宙人ミイラ」は3種類ある! エイリアン・プロジェクトで名付けられた13体の〝彼ら〟の正体
「ナスカの宇宙人ミイラ」の研究は分類や命名を含めて整理が進んでいる。新個体の発見も相次ぐが、これまで公開されたミイラの情報をここでまとめておこう。
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ネス湖に棲むという巨大水棲獣ネッシー。世界で最も有名なUMA(未確認動物)といっても過言ではないだろう。古くから目撃報告が絶えず、写真や映像にもその姿を捉えられているが、今もなお多くの謎を秘めた存在だ。はたして、その正体とは?
イギリスはスコットランド北部、深い森に包まれて静寂が支配するハイランド地方に特異な形状を見せるネス湖。長さ約35キロ、幅約2キロ、最深部の深さ約230キロメートルを誇るイギリス最大の淡水湖だが、その名を世界に知らしめているのは、湖中に潜んでいるといわれる道の巨大水棲獣によるところが大きい。
「ロッホ・ネス・モンスター」、通称は「ネッシー」。水棲UMA(未確認動物)の代表的存在で、最古の目撃記録は千数百年前までにさかのぼる。
スコットランドのアイオナ修道院長アダムナーンが西暦697年に著した『聖コルンバ伝』に、アイルランド出身の聖職者コルンバが565年にネス湖近くのネス川で巨大な怪物に遭遇して撃退した、という逸話が記されている。
以後、散発的に記録は残るが、目撃報告が急増するのは、湖北端のインバネスと南端のフォート・オーガスタを結ぶ国道82号線がネス湖の北岸沿いに開通し、ネス湖へのアクセスが格段に容易になった1933年からである。
主要な目撃の歴史を駆け足で振り返ると――。
同年4月14日午後3時ごろ、湖岸のドラムナドロシットでホテルを経営するジョン&ドナルディ・マッケイ夫婦がネス湖の北西岸を散歩中、ふたつのコブを持ち、周囲に波紋を生じさせながら湖面を移動する黒い怪獣を目撃。この目撃事件が、ネス湖の湖水監視人で地元紙「インパネス・クーリエ」の現地通信員でもあったアレクサンダー・キャンベルによって記事化され、5月2日付の同紙に掲載されたのをきっかけに、現代へとつづくネッシー騒動ははじまった。
同年11月12日には、フォイヤーズ川がネス湖に注ぐあたりの湖岸を歩いていたヒュー・グレイが初めて写真撮影に成功する。その写真は、ネガに修整の痕跡はない、というコダック社研究員の鑑定結果を付して、12月6日付の「デイリー・レコード」紙に掲載された。
ただ、ネッシーを初めて撮影したこの写真はけっして鮮明なものではなく、被写体を特定することは困難だった。ために、鮮明な映像を撮影しようというネッシー・ハンターが続々と登場する。その成果がようやく得られたのは1951年7月14日で、ネス湖畔に住むラクラン・スチュアートが、湖面を急速度で動く3つのコブを数十メートルの距離から撮影することに成功した。コブを写した最初の写真である。
その後、相当数の写真が発表されているので、代表的なものをいくつか紹介しておく。
1954年=流し網漁船「第3ライバル号」の魚群探知機が、船の下をしらばらくへ移行に進んだあと、脇へそれて姿を消した巨大物体を探知し、初のソナー写真が撮影された。
1959年=フランク・A・マグナブがアーカート城跡近くでネッシーの背中とおぼしき部分を撮影。城の大きさと比較から全長約15メートルと推定された。
1960年=博物学者ピーター・オコンナーが至近距離から撮影。巨大生物の頭、首、太い胴がはっきりと写っており、全体像がわかる貴重な一枚だ。
動画もされている。第1号の成功者は航空技師のティム・ディンスデールで、1960年4月23日、フォイヤーズ付近の湖面上にジグザグの航跡を残して遠ざかる卵形の黒っぽい物体を8ミリフィルムで撮影した。
この動画は後日、イギリス放送協会(BBC)でテレビ放映されて真贋論争を引き起こしたが、イギリスの合同空軍偵察情報センターによって巨大な生物と鑑定され、現在でも信憑性はかなり高いと評価されている。
1967年6月13日には、ネス湖現象調査局のリチャード・レイナー隊が定期観測中、白い航跡を残して水面下を進む物体を発見、手前を航行する遊覧船をフレーム内に取り込んだ動画を撮影した。これも貴重なフィルムとされる。
ただ、有力証拠とされてきた静止画や動画のすべてが本物とはかぎらない。近年、コンピューターを用いた解析などによる再調査が行われ、ボート、ボートの航跡、流木などの浮遊物、水鳥の群れ、波……などだったと判明したものもあるし、なかには捏造写真もある。「外科医の写真」と通称されている写真はその典型例だ。
1934年4月1日、イギリスの外科医(実際は産婦人科医)のロバート・ケネス・ウィルソンがフォート・オーガスタ付近で撮影したと主張した静止画で、イギリス最古のタブロイド紙「デイリー・メール」に掲載されて大きな話題を呼んだ。首長竜を想像させずにはおかない長い首が鮮明に写っており、長らくネッシーの代表的写真として知られてきた。
ところが、1993年11月、ウィルソンの知人クリスチャン・スパーリングが死の間際に捏造写真であることを告白。翌年3月、「サンデー・テレグラフ」紙がその事実を報道し、それを受けて世界中のメディアが大々的なネッシー否定論を展開した。
わずか1枚の捏造写真だけですべてを否定する、というおおいなる誤謬を犯したのだが、現在もなおメディアが流布させた否定論を信じている人も少なくないようだ。
しかしフィルム・メーカーの鑑定を受けて真正と認定された写真もあるし、ネッシーの実在をほぼ立証している科学的学術調査の結果報告もある。
後者の事例をあげれば、ボストン応用科学アカデミーのロバート・ラインズ博士をリーダーとする調査隊が1972年から75年にかけて行った大規模学術調査が有名だ。
当時の最新ハイテク機器を駆使してネス湖を隅々まで調査。水中ソナーと連動させた自動カメラにより、水中を泳ぐ巨大生物のヒレや全体像の撮影に成功するという大きな成果をあげた。しかも、この写真はアメリカ航空宇宙局(NASA)の衛星写真分析を手がけるジェット推進研究所でコンピューター強調処理にかけられ、被写体はヒレを持つ首長竜らしき巨大生物を判定されたのである。
また、そのおりに描きだされたソナー・チャートを分析したマサチューセッツ工科大学海洋工学部の5人の専門家は、「体長約6メートルの大型動物2頭が、魚群を追ってソナー・エリアのなかへ飛び込んできた」と結論づけている。
真正の写真に加えての厳正な科学データとなれば、ネッシーの実在を確実視せざるをえまい。
それを裏づけるように、21世紀になってからも目撃報告や写真撮影は相次いでいる。
2010年=地元の観光船のジョージ・エドワードが、アーカート城跡近くの湖面に浮かぶ巨大生物の一部を写真撮影。
同年=造園設計家のリチャード・プレストンがネス湖北東岸アルドゥリー城跡で作業中、湖面に浮かぶ3つの白いコブを目撃して写真撮影に成功。写真は11月にスコティッシュ・テレビジョン(STV)の報道番組で放映された。
2012年=マーカス・アトキンスがボートでアーカート城跡近くを航行中、水深約23メートルの水域を泳ぐ、長さ10メートル以上、幅1.5メートルの巨大生物をソナーで探知して撮影。ソナー画像は4月20日に「デイリー・メール・オンライン」で公開された。
2016年=アマチュア写真家のイアン・ブレムナーがネス湖畔で車を止めて休憩中、湖面でのたうつ巨大生物を目撃して写真撮影。写真は9月16日付の「メトロ」紙に掲載された。
そうした数千件にも及ぶ目撃証拠や静止画、動画、科学的データなどを総合すると、次のような全体像が浮かび上がってくる。
形態は中生代ジュラ紀(1億9960万~1億4550万年前)に生息していた海棲爬虫類の首長竜の一種であるプレシオサウルスに似ており、首は細長く、同じ太さくらいの頭部を持つ。首の長さは約3メートル、太い胴体部の長さは約6~20メートル。背中に複数のコブがあり、皮膚の色は灰色もしくは赤褐色。鱗はないが、大きなヒレがある。泳ぐ速度は時速50~60キロとかなり速い。
その正体に関してはさまざまな説が唱えられているが、まずは誤認説から見ていこう。
●巨大魚類誤認説
ネス湖には、地元民が「ホース(ウマ)ウナギ」とか「ヘア(毛)ウナギ」と呼ぶ巨大ウナギ、ヨーロッパオオナマズ、北海からネス川をさかのぼった巨大チョウザメなどが棲息しており、それらを誤認したとする説。
ヨーロッパオオナマズは体調4メートル、体重400キロ超まで成長するし、ネス川河口で体長3メートルものチョウザメが目撃された例があるが、頭部や首などの形態面で合致しない。
●海棲哺乳類誤認説
海棲哺乳類の鰭脚類(ききゃくるい)、たとえばアザラシやアシカ、セイウチなどの誤認だとする説。鰭脚類は水中生活に適応し、四肢がヒレ状に変化しており、最大のミナミゾウアザラシのオスは体長4メートル超、体重は2.2トンにもなるが、首の形状に大きな違いがある。
●サーカス団のゾウ誤認説
2006年にイギリス・グラスゴー大学の古生物学者ニール・クラーク博士が提唱した説。ネッシーの目撃報告が急増した1930年代初頭、サーカス団が巡業の合間にネス湖周辺に立ち寄ったという記録が確認されることから、ネス湖で水浴びをするゾウを巨大生物と誤認したというのだが、その時期以外の目撃を説明できない。
●潜水艦の模型誤認説
2016年に提示された最新の仮説。ネス湖には、1970年に制作された映画『シャーロック・ホームズの冒険』の撮影時に使われた全長9.15メートルの潜水艦の模型が沈んでおり、ソナーで確認すると首長竜のように見えるという。しかし、模型の潜水艦が浮沈や移動を繰り返すことはあり得ないし、映画製作以前にも膨大な数の目撃報告がなされている。
以下はネッシー実在説だ。
●新種哺乳類説
未発見の首の長い新種哺乳類ではないかという説。比較的有望な説といわれるが、具体性のなさが大きな難点になっている。
●水棲大型両生類説
ネッシー研究の第一人者といわれたシカゴ大学生物学教授ロイ・マッカル博士が主張した説。ただし、現在種が大型化したものではなく、エンボロメリ亜種の大型有尾類が地殻変動などの環境変化によって進化から取り残され、現代まで生き延びたとする。水中呼吸や急速運動ができること、陸上にも上がれることが根拠という。
ネッシーはじつは陸上でも目撃されている。1933年、洋服縫製業を営むジョージ・スパネイサーがネス湖北岸の道路をドライブ中、前方の路上を横切る巨大生物を目撃したのが20世紀以降の最初の事例で、体長は約8メートル、首は細長かったという。ほかにも陸上での目撃報告はあるが、数は少ないし、大型両生類説には形態面での多少の難が残る。
●ステラーカイギュウ説
寒冷対応型カイギュウ類のステラーカイギュウの生き残りだとする説。ステラーカイギュウは1741年にロシアノベーリング島で発見され、わずか27年後の1768年、人間に狩りつくされて絶滅した巨大生物。ジュゴンやマナティーの仲間で、体長は7~10メートル、胴回りは6メートル以上、体重は5~12トンもあった。
絶滅したとされているが、1962年にベーリング海でステラーカイギュウとおぼしき6頭の巨大生物が旧ソ連の科学者によって目撃されており、現在もごく少数が生き残っている可能性は皆無ではない。
●タリモンストラム(ターリーモンスター)説
タリモンストラムは古生代(5億4200万~2億5100万年前)の海に棲息していた絶滅脊椎動物。形態がネッシーのそれに酷似している。発掘化石の全長は約10センチときわめて小さいが、近年の研究によってダイオウイカ並みに巨大化しうることが判明し、新説として登場した。
●プレシオサウルス説
前出のプレシオサウルスが環境に順応・進化した亜種ではないか、とする説で、最も有力視されている。有力とされる最大の根拠は、その形態にある。古生物学に基づくプレシオサウルスの復元図によれば、長い首の先に小さな頭部があり、胴体が太く、ヒレを持つ。これは多くの目撃証言の特徴と一致するし、ネッシーの写真や映像とも類似している。
ボストン応用科学アカデミーの調査隊が水中撮影し、信頼度がきわめた高いと評価されている。全体像の写真は、まさにプレシオサウルスそのものなのだ。
根拠はそれだけではない。ネス湖は大断層線カレドニア地峡の北東部が湖になったもので、ネス湖一帯は最後の氷河期が終わった約1万年前までは入り江だった。そして、その後の陸地の隆起により、入り江に生息していたプレシオサウルスも湖に閉じ込められ外界から孤立、湖の淡水化に順応・進化し、亜種として現代まで生き延びたと考えたとしても、けっして論理の飛躍ではあるまい。
しかも、2003年7月にはネス湖畔でプレシオサウルスの背骨の化石が見つかった。注目すべき物的証拠の発見であり、プレシオサウルス生き残り説はますます有力になったといえるだろう。
(月刊ムー2017年4月号掲載)
藤島啓章
ライター。ムーにて基礎知識連載「世界ミステリー入門」などを担当
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