別視点で都市を散策「東京異界めぐり」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

    「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。

    東京異界めぐり

    本田不二雄 著

    都市の異界入り口を通じて、東京散策を提案

     名実ともに、今や世界最大・最先端のメガロポリスである「東京」。先般発表された「世界の都市総合力ランキング(GPCI)2025」でも、総合力において、ロンドンに次ぐ世界第2位の座を獲得したばかり。
     そんな一見、煌びやかで未来的な東京だが、その表面的な明るさから少し目を逸らすと、そこには茫漠たる「異界」が蠢いている。しかも東京の異界は、縄文時代から連綿と続く、重層的な構造を成している。それは当然、渋谷や新宿など、日本を代表する歓楽街でも例外ではない。

     本書は、主として神社仏閣という、都市の中の異界の入り口を通じて、一味違う東京散策を提案する案内書。各項目ごとに置かれたQRコードをスマホで読み込めば、その項のルートがGoogle Map上に表示されるという親切設計で、渋谷や新宿に始まり、赤坂に浅草、そして吉原と、都内11か所で異界めぐり散歩が楽しめる。スマホという今様のガジェットを手に、日常とはまったく異なる異形の東京を覗き見て、歴史の浪漫に存分に「萌え」てみるのも一興である。

     著者の本田不二雄氏は、日本で唯一の「神木探偵」にして「神仏探偵」。その数々の著作は、本欄でもたびたびご紹介している。特にクレジットはないが、本書に収録された荘厳な総天然色写真の数々も、本田氏ご自身の手になるものと思われる。
     東京在住の人はもちろん、観光で東京を訪れる人も、鞄に常備しておくべき珠玉のガイドブックである。

    駒草出版/1980円(税込)

    (月刊ムー 2026年03月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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