大阪万博の「火星の石」は「金星の石」だ! 電気的宇宙論から見た惑星の歴史
話題の「大阪・関西万博」で展示されている火星の石。南極で採取された隕石なのだが、実は火星ではなく金星に由来する……という異説がある。電気的宇宙論者が指摘する太陽系の歴史とは?
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野村泰紀 著
宇宙への疑問に、真正面から真摯に答える一冊
「なぜ宇宙は存在するのか」とは、また何とも壮大深淵な問いかけであるが、本書は最新の宇宙論や素粒子論、量子重力理論などを駆使して、その問いに真正面から真摯に答える、興味尽きない一冊である。
この宇宙が「我々人類にとって何とも都合が良くできている」のはなぜか、この宇宙が誕生する前はいったい何がどうなっていたのか、よく聞く「ダークマター」や「インフレーション理論」「素粒子」「超弦理論」そして「マルチバース」「人間原理」とは詰まるところ何なのか、といった疑問の答えが、親しみやすい語り口もあいまって、一読すればたちどころにわかる(ような気がする)。
著者の野村泰紀氏はカルフォルニア大学バークレー校教授で、素粒子論、宇宙論を専門とする理学博士。本書の執筆者として、これ以上の適任はない。かつて本欄でも、氏の著書である『多元宇宙論集中講義』 (扶桑社BOOKS新書)や『マルチバース宇宙論入門』(星海社)などをご紹介し、その度に評者は「頭をバットで殴り飛ばされたかのような衝撃」を受けつつ、最新の宇宙論を「スッキリ理解することができた」気になってきた。本誌読者諸賢におかれましては、是が非でもその同じ愉悦を共有していただきたい。
なお、本書は2022年の初版であるが、同じ著者による最新刊『95%の宇宙 解明されていない"謎"を読み解く宇宙入門』 (SB新書)も実に名著である。併読いただきたい。

(月刊ムー 2026年01月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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