ダークプロテインと不老不死の謎/MUTube&特集紹介  2025年12月号

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    生命の限界を超え、永遠の時を生きる──。この人類の究極の願望が、リアルな現実になりつつある。その鍵を握るのが「ダークプロテイン」だ。最新の生命科学によって発見されたこの未知のタンパク質は、現代の「賢者の石」となるのか? この記事を三上編集長がMUTubeで解説。

    習近平とプーチンが口にした「不老不死」という言葉

     2025年9月3日──。
     この日、中国では大がかりな軍事パレードが開催された。
     天安門広場の壇上には国家主席・習近平とロシア大統領ウラジミール・プーチンの姿が並び立つ。華々しい軍事パレードの映像とともに、米国に対峙する両巨頭の蜜月ぶりは世界に向けて印象づけられた。
     ところが──。
     その翌日になって思わぬトラブルが発覚した。習近平とプーチンが軍事パレード会場へ向かって歩く様子を世界に生中継したロイター通信社が、「当局からこの映像の配信中止を命じられた」と発表したのである。
     仲睦まじく談笑しながら歩く独裁者たちの姿。いったいこの映像のどこに、中国政府の怒りに火をつけた要素が隠されているのか?
     やがて、思わぬ真実が明らかにされ、世界は驚愕する。
     問題はふたりの何気ない会話の中に隠されていた。ロイターが配信したニュース映像の中でふたりは、
    「不老不死は実現できる」
    「人は150歳まで生きられる」
     と言葉を交わしていたのである。
     不老不死の実現──。
     人の寿命は150歳──。事情を知る者にとってふたりが発した言葉自体は、何をいまさらという感がある。中国とロシアが国家的なプロジェクトとして「不老不死」の研究を進めていることは、公然の秘密といっていい。秦始皇帝を持ちだすまでもなく、独裁者の最後の望みが「不老不死」であることは、洋の東西を問わないのである。
     しかし、問題のニュース映像をいま世界に向けて発信するのは、タイミング的に確かにまずい。この先も再び任期の延長を目論むふたりが、いつまでも権力の椅子にしがみつく哀れな老人であるというイメージを広めてしまう危険性がある。

    寿命の限界を突破する!? ダークプロテインの発見

     ふたりの独裁者の今後の行く末はともかく、この数年で不老不死の研究が驚くほど急速な進歩を遂げていることはまぎれもない事実である。
     その研究の中核を担っているのは「ダークプロテイン」だ。暗黒タンパク質──。
     一般の読者の方には耳慣れない言葉かもしれない。しかし、いまやダークプロテインは生命科学の根幹を揺るがす新発見として、世界中の研究者の注目を集めている。
     その詳細については次章以降で詳しく説明する。ダークプロテイン、サーチュイン遺伝子、iPS細胞など、これまでの生命科学の常識を打ち破る新発見の数々を、どうぞご自分の目で確かめていただきたい。
     とりあえず、いまここで強調しておきたいことは、ダークプロテインやその他の新たな発見により、ヒトの寿命や老化の研究が次の段階へ進んだということだ。いまこれらの研究は「老化を遅らせる」という段階を飛び越えてしまった。
     ヒトの寿命の限界を突破する──。
     最新の研究はそこにフォーカスが当てられている。その先には、細胞の「年齢を巻き戻す」実験までもが実際に行われている。
     先に紹介した習近平とプーチンというふたりの独裁者が交わした不用意な会話は、それら一連の研究成果の報告を耳にし、喜びを隠しきれずに口にしたものかもしれない。
     不老不死は、人類にとっての見果てぬ夢であった。しかしいま、その見果てぬ夢が、リアルな現実に置き換わろうとしている。
     不老不死の実現まで、あと一歩のところまで迫っている。
     あと、一歩──。しかし、その最後の一歩を、いつ、だれが踏みだすのか? あるいは、最後の一歩の向こう側には、どんな真実がわたしたちを待ち受けているのか?
     その衝撃的な世界の全貌を、本稿では余すところなくお伝えする。

    (文=中野雄司 イラストレーション=久保田晃司)

    続きは本誌(電子版)で。

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    webムー編集部

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