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東京・立川市にある「狐弾亭(こびきてい)」は、日本で唯一、妖精関連の本のみを置く書店。亭主の高畑吉男氏による月に1度のトークライブ「お話の小屋でin狐弾亭」にうかがいました。その効果なのか、辛酸なめ子氏が不思議な写真の撮影に成功!?






ブックティーサロン「狐弾亭(こびきてい)」は、妖精のヴァイブスに囲まれてトリップできる素敵な書店。約3000冊の書籍がそろい、なかには「亭主」高畑吉男さんのコレクションもあります。
大学で妖精学を教えているという高畑さん。妖精関係の著書が多数あり、妖精の物語が200〜300は頭に入っているとのことで、2012年にはアイルランドのストーリーテラー協会に正式登録されています。
また、アイルランドへ行ったときに希少な妖怪の本を捜していたら、現地のパブでたまたま知りあった人から譲り受けるなど、妖精に導かれているとしか思えない体験もお持ちです。
月に一度の「お話の小屋でin狐弾亭」で聞いた物語のひとつは、ちょっと怖い内容でした。
目が見えない笛吹きの男性が、浜辺での結婚パーティーで笛を吹くことになりました。彼の笛の音には魔力が宿っているため、若者たちは手足が勝手に動いて踊りだし、やめられない状態に。やがて海の生き物たちも踊りだし、ついには海中から人魚が現れて、笛吹きを海の底へと誘います。笛吹きの母親が必死にとめてもいうことを聞かず、人魚とともに海中へ……。そして年に一度、彼からのメッセージのように、波打ち際に木切れが流れ着くそうです。人間と妖精の倫理観の差を感じました。
アイルランドの人魚などの妖精は、5世紀にキリスト教が入ってきたことで「魔物」に落とされたそうです。
「人魚が鏡を持っているのは未来を占うためなのですが、キリスト教では、鏡を見るという行為はうぬぼれの象徴です。そのため、船乗りを誘惑する海の魔物にされてしまいました」
高畑さんのお話会で、妖精たちの真実の姿がわかります。ちなみに妖精に好かれるのは、嘘をつかない人、きれい好きな人だそうです。
「狐弾亭」を訪れてから数週間後、不思議な出来事が。ふと撮影した木の写真に、小さいピンクの球体が多数写り込んでいたのです。妖精と縁ができて、姿を現してくれたのでしょうか? 異世界に誘われたら、ついていきたいです。

辛酸なめ子
漫画家、コラムニスト。芸能界から霊能界、セレブから宇宙人まで独自の視点で切りこむ。
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