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アナスタシア・グレイウルフ 著
古今東西あらゆる系統の「魔女術」の指南書
邦題こそ『魔術教本』ではあるが、原題はWITCHCRAFT: A Handbookof Magic, Spells, and Potionsであり、実際には「魔女術」の指南書である。ただ、本書ではこの「魔女術」を、「古今東西のあらゆる系統の呪文やまじないを取り入れ、独自に研究した要素も加えたもの」と定義しており、その内容もいわゆる狭義の魔女術のみに留まらず、パウワウ(北米インディアンの呪術師)のまじないや古代ヒンドゥー、イヌイットやゲールの呪文から、『ソロモン王の鍵』といった魔導書に至るまで、多岐にわたるものとなっている。
著者のアナスタシア・グレイウルフは、米国北東部在住の現役の魔女・薬草医で、ムーンビーム渓谷カヴン(月光渓谷魔女団)の創設メンバー。呪術や魔術の分野では、数十年(あるいは数世紀!?)におよぶ経験を持つという。
「言語そのものに力がある」という翻訳者の信念の下、収録された各種呪文の一部には、日本語訳の他に英語原文も添えられているのが興味深い。原語で呪文を詠唱すれば、その効力は、さらに強力なものとなるやも知れぬ。現代の日本では技術的にも法的にも、到底実行不可能と思われる術式もあるが、魔術においては何よりも「見立て」が重要。すなわち、術者の信念と意思と想像力の行使によって不可能を可能とすることこそ、ある意味魔術の蘊奥でもある。
現代の、魔術・魔女術界隈の動静を把握する意味でも、必須の文献だ。
(月刊ムー 2025年10月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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