「姉に火の中へ突き落とされた」鮮明な前世記憶を語った少女の謎!
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もしも保存された死者の脳から記憶を引き出すことができたなら、生の意味も大きく変わってきそうだ。驚くべきことに、最新の調査では科学者たちは100年後に40%の確率でそれが実現すると考えていることがわかった。
謎に包まれた私たちの意識の源泉。それが物理現象であるのかどうかさえわかっていないが、研究の進展によって、意識の要素である記憶については脳内に物理的な根拠があると多くの神経科学者が考えはじめているという。
記憶とは、脳内の神経細胞であるニューロン同士がシナプスを介して情報をやり取りすることで形成され、学習や経験によってシナプス結合が変化し、これが記憶として脳に刻まれると考えられている。
物理的な根拠があるとすれば、記憶をデータのように扱い、脳から抽出した記憶をコンピューターにアップロードすることも可能なのだろうか。
豪モナッシュ大学の神経科学者で、『The Future Loves You: How and Why We Should Abolish Death(未来はあなたを愛している:死を廃止すべき理由と方法)』 (1990年刊)の著者であるアリエル・ゼレズニコフ=ジョンストン氏が率いる研究チームが今年6月、オンラインジャーナル「PLOS One」で発表した研究では、312名の神経科学者を対象に記憶の保存方法に関する興味深い調査を実施している。
多くの研究者は、保存された脳から記憶を抽出するという問題は「奇妙で推測的」ではあるものの、記憶の形成についてより深い洞察につながる良い機会だと考えている。
調査結果によると、神経科学者の70%が記憶には物理的基盤があり、記憶の物理的な分子記録が存在するという見解を示したという。そしてこれは神経接続やタンパク質と、そのほかの細胞を構成する要素間での相互作用として保存され、理論的には記憶の“スクリーンショット”ができるということだ。
その一方、「記憶の保存に不可欠な神経生理学的特徴やスケールについては、明確なコンセンサスは得られなかった」と、ジョンストン氏らは論文の中で述べている。
調査対象となった科学者たちは、脳に保存された記憶を抽出するためにどの程度の解像度(原子レベルから細胞内構造のナノメートルレベルまで)が必要かについて一致した意見は得られなかった。前述の通り、記憶に物理的基盤があることはほとんどの神経科学者が同意しているものの、その基盤がどのようなものであるかについては依然として議論の余地があることが示されたのだ。
調査では、既存のツールや手法によって脳の構造から記憶の抽出・保存が可能かどうかも質問された。
脳を凍結するとタンパク質や細胞が損傷し、神経組織に大きなダメージが及ぶ可能性があるため、そこから記憶を抽出・保存することは難しいと想定されるが、「アルデヒド安定化凍結保存(aldehyde-stabilized cryopreservation:ASC)」という手法には大きな可能性が秘められているという。
アルデヒド安定化凍結保存とは、組織や細胞を凍結保存する際、アルデヒド系固定液を用いてガラスのような個体に変えて固定することで、組織の変性を抑制し、長期保存を可能にする方法である。
このような方法で凍結保存された脳から記憶を抽出できる確率を神経科学者たちに尋ねたところ、回答者の推定値には幅があったものの、中央値は約40%の確率であった。
研究チームはさらに神経科学者に対し、保存された神経組織から脳全体を模倣すること、つまり人間の脳の全情報をコンピューターにアップロードしてデジタル化することがどのくらいの確率で可能かを尋ねた。
これは人間の完全な意識と記憶を電脳空間(サイバースペース)にアップロードする可能性を開くものでもあるが、この場合も回答の中央値は約40%だった。しかし、回答がここでも大きくばらついていたことが指摘されている。
40%から100%までのギャップを埋めるには、まだやるべきことが山積していると言えるが、きわめて重要な次のステップに移るための競争はすでに始まっていると研究チームは示唆する。
「かなりの数の神経科学者が、うまくいく可能性が非常に高いと考えています。そして私の推測では、脳インプラントやエミュレーションなど、さまざまな技術が進歩するにつれて、その数字は徐々に上がっていくでしょう」とジョンストン氏は科学メディア「IFLScience」に語る。
そして、いつ人間の脳を完全に模倣できるようになるか、つまり人間の脳を忠実にスキャンしてつくられる超知能体「全脳エミュレーション」がいつ実現するのかという質問に対し、回答者の中央値は今からちょうど100年後となる2125年であった。
次の100年で人類は電脳世界で永遠の命を獲得することになるのだろうか。まずは脳から記憶を引き出す技術の開発が求められていることになる。最先端の神経科学研究の進展をこの先もチェックしていきたい。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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