地球外知的生命体の姿は「人類と似ている」可能性が高い! 従来のハードステップ理論を覆した最新の研究成果
人類の心を魅了してやまない、地球外知的生命体の存在。最新研究によって、その姿が人類に似ている可能性が非常に高いことが判明した!
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すべての始まりとなるビッグバンによって生まれた宇宙だが、最初の生命が誕生したのはいつなのだろうか。新たなシミュレーションによれば、宇宙に生命が誕生したのは、ビッグバンから“たった3億年後”であるという。地球が出来上がるはるか以前に、宇宙で生命が登場していたことになるのだが――。
宇宙は138億年前のビッグバンで生まれ、それから気の遠くなる歳月を経て47億年前に太陽が誕生し、その1億年後の46億年前に我々が住む地球が形成された。そして、さらに6億年後に地球上に生命が誕生したと考えられている。
つまり、40億年前に地球に生命が誕生したことになるのだが、では宇宙で最初に生命が出現したのはいつ頃なのか。
英ポーツマス大学とUAEのユナイテッド・アラブ・エミレーツ大学の研究チームが今年3月に学術誌「Nature Astronomy」で発表した研究は、生命誕生にとって重要な前提条件となる水の形成の時期を推定することで、宇宙で最初の生命が誕生した時期をシミュレーションで検証している。
研究チームは、(宇宙誕生後、最初に登場した)第一世代の恒星の超新星爆発の数値モデルを2つ構築。1つは太陽の13倍、もう1つは太陽の200倍の重さの恒星である。
シミュレーションで、小さな方の恒星は超新星として消滅するまでおよそ1200万年間生き延び、地球の質量の1万7000倍の酸素を周囲の星間物質に放出した。一方、大きな方の恒星はわずか250万年で大爆発を引き起こして最期を遂げ、太陽の質量の55倍(地球の質量の1800万倍以上)の酸素を放出した。
次に起こったのは驚くべきことで、各仮想超新星の衝撃波が外側に広がるにつれて、波紋が周囲のガスに密度の変化を生み出し、ガスの一部が凝集して塊になったのだ。
これらの高密度のガス塊に超新星の爆発噴出物が振りかかった。密度の高いガス塊はより多くの熱を保持できるようになり、化学反応によって水が生成される可能性が高まったのだ。
「超新星爆発で生成される水の総量はささやかなものですが、爆発によって生成される密集したガス塊に含まれる水の質量の割合は、現在の太陽系に存在するものに近づく可能性があります」と研究の筆頭著者でポーツマス大学の天体物理学者ダニエル・ウェーレン氏は説明する。
「これは私たちが予想していなかった結果です。密集したガス塊は、爆発の残骸の中で崩壊して恒星や原始惑星系円盤を形成できる唯一の構造であるため重要なものです」(ウェーレン氏)
ウェーレン氏は、このシミュレーションは現時点では暫定的な答えしか提供していないと前置きする。たとえば、最初の恒星の質量がどれくらいだったか定かではないが、一般的には太陽の数十から数百倍の質量だったと考えられているということだ。
また、シミュレーションでは一度に1つの恒星が形成されることしかモデル化されていないが、初期の宇宙は今ほど広くはないため、複数の恒星が時期を被りながら比較的近距離で形成されていたというのが一般的な見解である。しかし、この状況が水の生成にどのような影響を与えるかは不明だ。
今のところ、これらの理論的推測と計算モデルが現実を反映していると仮定すれば、初期の宇宙空間において(後に第二世代の恒星が形成される可能性のある領域に)水が豊富であった場合、地球のような惑星が滓のような場所から出現する可能性がありそうに思える。今回の研究では、まさにその点も探究されている。
(最初のシミュレーションで得られた)水分を多く含むガス塊が崩壊して、岩石質で湿った惑星系をもつ低質量の恒星になるかどうかテストしたところ、「可能である」との結果が得られたというのだ。
これらの追跡シミュレーションでは、太陽の約4分の3の質量の小さな恒星が、地球型惑星の前身となる数キロメートルの微惑星を伴って高密度ガス塊から誕生したという。
しかも、宇宙の歴史の最初期に形成されたにもかかわらず、このサイズの恒星はまだ熱核燃料のほとんどを燃やし尽くしていない――つまり、何十億年も経った今でも輝いている可能性があるようだ。つまり、(そのような恒星の周囲を公転する)水を湛えた惑星がまだどこかに存在し、我々が発見して研究するのを待っているかもしれないのだ。
とはいえ、そのような惑星で生命が誕生するのは必ずしも容易なことではない。原始惑星、小惑星、彗星などの激烈な衝突は、百数十億年という時間を考えれば頻繁に起こり得ると考えられている。その惑星で生命が誕生していたとしても、惑星衝突の余波に耐えられるだろうか。
生命誕生の条件が揃うまでのプロセスは、最初の恒星が誕生するのに1億年、それらの恒星が天寿をまっとうして超新星爆発により重い元素を拡散するのに1000万年、第二世代の低質量星が形成されるのに1億年、岩石の世界が生命に適した安定した表面条件に達するのにさらに1億年だ。
このシミュレーションではビッグバンからわずか2億年後に海を湛えた惑星が形成され、その1億年後に生命が誕生することになる。つまり、最短でビッグバンの3億年後に生命が誕生するということであり、それは今から135億年前ということになる。
地球で誕生した生命よりも95億年も“先輩”の生命が、今も宇宙のどこかで命脈を保っているのだろうか。そして、ひょっとするとその“先輩”は地球を訪れているのか。あるいは我々のルーツは実は地球上にあるのではなく、それらの“先輩”まで遡る可能性もあるのだろうか。宇宙レベルの壮大なスケールの時間軸では、生命誕生についていくつもの大胆な可能性が潜んでいるのだ。
【参考】
https://www.scientificamerican.com/article/how-early-could-life-have-emerged-in-the-universe/
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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