<体験談>私を見つめるキュウモウ狸

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 16世紀末、日本二十六聖人殉教のきっかけとなったサン=フェリペ号事件。このサン=フェリペ号の船付き牧師だった外国人が、実は岡山に住み着いたという話があります。

 そして伝説によると、この牧師が連れていた狸は「キュウモウ狸」と呼ばれ、人間に化けるのが得意で農民の鎌や鋤を修繕してくれたため、魔法社という御社に祀られ、農耕の神様として崇められたそうです。

 さて、今から20年ほど前の話です。故郷の母が亡くなったため実家を売却し、墓じまいをすることになりました。

 片付けを終え、帰りの車に乗ろうとした時のことです。陶芸家だった祖父が作った陶製の御社が、いきなり「スポーン!」と音を立てて約4メートル吹き飛んで落下しました。慌てて拾って元に戻すと、ガラケーで写真を撮りました。

 そして、帰りの新幹線でその写真を確認したところ、御社の背後に、真っすぐこちらを見つめる獣のような顔がはっきりと映り込んでいたのです。私は、これがキュウモウ狸様に違いないと直感的に悟りました。

 私は、幼少期より法力者から「小さな茶色い動物があなたを守護している」とよく言われていました。

 もともと、私の家系は赤松円心につながる賀屋氏の流れを組み、「五瓜五七桐紋」という珍しい家紋です。この五瓜は五芒星を表わすらしく、秦氏系神社の社人でもあったようです。

 さらに私は、日本人には珍しい鎌状赤血球症です。

 根拠はありませんが、キュウモウ狸様のご主人、つまりサン=フェリペ号の船付き牧師は、独り寂しく異国の地で亡くなったわけではなく、子供を授かっていたのではないかと思います。

 その子供が私の先祖に当たるのか確信はありませんが、常にキュウモウ狸様が近くで守ってくれているという思いはあり、感謝しています。

(potaraka)

●キュウモウ狸について詳しくはこちらの記事を参照
https://web-mu.jp/history/4756/