「ユダヤ教と縄文の聖人 隠されてきたタブー史」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    ユダヤ教と縄文の聖人 隠されてきたタブー史

    水原紫織 著

    縄文時代から現在に至る日本と世界の隠された歴史

     著者の水原紫織氏は「日本生まれの藝術家」だが、本来の藝術活動の他、歴史の謎を斬新な観点から検証する著述活動でも知られている。過去に本欄でも『もう1人の「明治天皇」箕作奎吾』『特攻兵器「原爆」』(いずれもヒカルランド)の2点の著作を紹介した。本書は、そんな著者の3冊目の著作であり、まったく独自の「水原史観」に基づいて、遠く縄文時代から現在に至る日本と世界の隠された歴史が開陳される。
     まずは、前2作をなぞりつつ、かつても今も日本は実際には英国領であるとか、原爆は「旧日本海軍が水中を運び特攻によって水面爆発」させたものである、といった驚くべき情報が明かされる。それから話はユダヤ人渡来説に移り、天皇とイスラエルの神の関係が語られる。さらに唐代の則天武后による国号「日本」の制定、縄文晩期の周朝王族による日本侵略の秘史へと話は続く。
     そして何より本書の真骨頂といえるのが、伏羲や女媧をはじめとする中国神話の神々が実は縄文人であり、その神話はそのまま縄文の歴史であったという仮説の提唱と検証である。
    そして最後に、こうした「真実」が日本人から隠されてきた真の理由が明らかにされる。
     こうしてかいつまんで紹介するだけでも「荒唐無稽」としかいいようのない内容なのだが、ともかく呆れるほど膨大な資料の裏づけが提出されているから、決して無下にできるものではないだろう。

    ヒカルランド/2750円(税込)

    (月刊ムー 2024年10月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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