『宇宙の彼方の色』から読み解く H・P・ラヴクラフトが受けた”フォーティアン”な影響/森瀬繚
2020年7月に映画化されたH・P・ラヴクラフトの小説『宇宙(そら)の彼方の色』は、”フォーティアン”なーー超常現象に影響されていた!? 怪奇神話と奇現象の開祖ともいえる、ふたりの”創造主”が共鳴した
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「クトゥルフ神話」の用語やラヴクラフトの言い回しを学べる英語参考書が発売!
死せるクトゥルフ、ルルイエの館にて、夢見るままに待ちいたり。
In his house at R’lyeh, dead Cthulu waits dreaming.
あの手はなんだ! 窓に! 窓に!
God, that hand! The Window! The Window!
一読でわかる、クトゥルフ神話作品のフレーズである。
H・P・ラヴクラフトによって創造され、多くのクリエイターによって今なお拡大を続ける「クトゥルフ神話」の世界は、アニメやゲーム、漫画やTRPGなど様々なメディアミックスを経て人気を博しているが、ついに参考書と融合してしまった。
その名も「名状しがたい英単語図鑑」。クトゥルフ神話にちなんだ例文とイラストで英単語が学べる唯一無二の英語学習書である。安心してほしい、出版社は、Gakkenだ。
その「クトゥルフ神話」の要素はもちろん、各所にサブカルチャーのミームを取り込んだ奇妙な参考書の筆者は山田剛毅氏。グラフィックデザイナー兼イラストレーターであり、ジャンルの融合をテーマにクトゥルフ神話モチーフの作品を作っている氏の新刊なのだ。
本書で取り上げられている英単語は、eat(~を食べる)やopen(~を開く)といった中学英語レベルの必須単語から、blasphemous(冒涜的な)やunspeakable(名状しがたい)といったラヴクラフト作の原典に登場する難単語まで幅広くカバー。英単語だけでなく、例文に含まれる英文法や構文の解説も充実している。さすがGakkenの参考書だ。
星辰が整い邪神が復活するその日に備えて、あるいはニューイングランドの寂れた漁村に迷い込んでしまったときに備えて、生き延びるために必要な英単語をマスターしておこう。
本書の魅力のひとつであるイラストと英単語をまとめたのが特集ページ。“クトゥルフ神話世界の驚異の部屋”“クトゥルフ大解剖”などのテーマごとに、英単語を効率よくインプットできる。
さらに本書はラヴクラフトが書いた全小説作品を元にデータベースを作成。単語の出現頻度を分析し、ランキング化することで、ラヴクラフトの“お気に入り品詞”がわかるページが用意されている。原典に挑戦する前に頻出単語をまとめて覚えたり、ラヴクラフトになりきった言い回しで会話したりしたいときに役立ちそうだ。
本書に「ムー」が協力しているのだが、その役回りは「混沌監修」である。普通の監修とどう違うのか、それはまさに名状しがたい。ともあれ、英単語を身につけるだけでなく、クトゥルフ神話の知識も安心して(?)学ぶことができるはずだ。……安心してほしい、繰り返すが、Gakkenの参考書だ。
[商品概要]
『ラヴクラフトとクトゥルフ神話に学ぶ 名状しがたい英単語図鑑』
作・絵:山田剛毅
定価:1,870円 (本体1,700円+税10%)
発売日:2024年8月8日(木)
判型:新書判/224ページ
発行所:(株)Gakken
学研出版サイト:https://hon.gakken.jp/book/1130596200
webムー編集部
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